北欧の香り

あまり知られていませんが北欧の香りは、雨に洗われた石畳や青々とした樹木の下に咲く野の花、フィヨルドの岩肌を流れ落ちる滝、淡い青色の海に囲まれたごつごつとした島など、五感の喜びの世界を伝えてくれます。

スカンジナビスクのフレグランス作りは、北欧の風景から香りにしたい場所を選び、探索するところから始まります。それは地元の人にとって貴重で、外部の人々にとってはエキゾティックな場所。そこを探索すると、どの植物がそこに自生するかを知り、その場にいる体験がどのようなものかがわかります。

私たちは正確な香りを再現するために、一つのフレグランスに50種類もの原料を使用し、天然のエッセンシャルオイルに安全な合成成分を慎重に調合して、スカンジナビアを表現する香りのノートやアコードを作っています。

それぞれのフレグランスは、その体験を忠実に再現した4つのノートが柱となり、それらが組み合わされてスカンジナビスク独自のフレグランスが生まれます。

アークティス

ノルウェー北部、スウェーデン、フィンランドが共有する広大で氷のように冷たい景色は、隔絶され厳しい環境でありながら、新鮮さと壮麗さを兼ね備えています。

香りのノート:吹きさらしの森とアークティック・セージ、スペアミント、雪の結晶

吹きさらしの森 - 北極圏の過酷な気象条件を形づくる、氷のように冷たい風。わずかに存在する木々は、その怒りを真正面から受け止め、枝の間を吹き抜ける風のうなりが、鋭い口笛のように響き渡ります。

アークティック・セージ - 冬の気候にも耐える常緑植物、アークティック・セージ。強靭さと、芳香を放つ葉で知られています。冷涼でありながら陽光に恵まれた短い夏には、黄色い花房が一斉に咲き誇ります。

スペアミント - 世界中で親しまれてきた多用途の植物。清涼感と鋭さを併せ持つ香りが、厳しくも魅惑的な北の大地の二面性を映し出します。

雪の結晶 - 自然が生み出す、極小の傑作。何千年もの時を重ねた極地の氷の上へ、音もなく、静かに舞い降りる存在。ひとつひとつは微細でありながら、大地に鮮烈でまばゆい白の輝きを与えます。

フィヨルド

壮大な岩肌、流れ落ちる滝、木々が連なる森、そして豊かに実る果樹園が、ノルウェー西部のフィヨルドのドラマチックな姿を際立たせます。

香りのノート:リンゴと梨の木、果樹園のフルーツ、レッドカラント

果樹園のフルーツ - フィヨルドランドはノルウェーの果物の宝庫です。温暖な気候、肥沃な土壌や特徴的な四季が、水辺に広がる梨やリンゴ、プラム、チェリー、さまざまなベリー類の果樹園に最適な環境になっています。

レッドカラント - スグリの一種であるレッドカラントの低木は北欧全体に自生していますが、フィヨルドでは栽培されています。フルーティーで青々とした酸味のある香りです。

リンゴの花 - 世界最古の香水原料の一つで、14世紀からハダンゲルフィヨルドで栽培されています。その白い花は柔らかなフローラルの香りです

梨の花 - 梨の花は、春先に小さな楕円形の固く閉じた緑のつぼみが現れます。その後、一春を通じてつぼみが開き、甘くフルーティーでフローラルな香りの白い繊細な花びらが姿を見せます。

ハブ

スカンジナビア半島は北極海、北大西洋、バルト海に囲まれ、世界で最も長く、荒々しい海岸線を形成しています。

香りのノート:潮風と海藻、サンザシ、ハマナス

ハマナス - 寒冷な地域に自生するバラの一種で、海岸部の砂地でよく見られます。一夏を通じて繊細で甘い香りの花を咲かせます。

海塩 - 沿岸地域に住む人々は何世紀にもわたって塩を採取してきました。海から直接取れる塩は、母なる自然が古来より与えてくれた恵み。爽やかで新鮮な香りの塩は生命に欠かせない物質です。

サンザシ - 北欧地域に自生する低木で、海岸部でよく見られます。そのレッドベリーのような実は、フローラルで蜂蜜のように甘く強い香りがします。

ケルプ- 北の海の冷たい浅瀬で育つ大型の海藻で、抗酸化作用があるためスキンケアによく使用されます。爽やかな潮の香りがします。

ヒュッゲ

他の言語では直訳できない言葉で、数え切れないほどの意味を持ちます。日常の些細な瞬間の中で親密さや仲間と過ごす時間、居心地よさを作り出す北欧のライフスタイルを表します。

香りのノート:紅茶、ミントの葉、ドライアップル、オーブンから漂うシナモンの香り

紅茶 - スモーキーな土の香り。北欧では紅茶はストレートで、小さく繊細な陶器のカップを両手で包みこんで暖を取りながら楽しみます。心地よく豊かな香りがします。

ミントの葉 - 清涼で爽やかな香りのミントは、北欧の庭でよく見られるハーブで、葉を摘んで噛んで楽しみます。湿った土壌を好み、その葉はペッパーのような強く特徴的な香りがします。

シナモン - 北欧の台所には欠かせないスパイスで、特に焼き菓子でよく使われます。スパイシーで温かみがあり、家族の団らんや、くつろぎのひと時が思い出される香りです。

ドライアップル - 新鮮なリンゴとは異なり、甘く軽やかで、穏やかなフルーティーな香りです。この香りが家の中に漂うと、ヒュッゲや仲間と過ごす時間を感じられます。

コト

北欧言語で「おうち」を指す言葉です。北欧の厳しい気候から逃れ、元気を回復させるためのプライベートな空間。

香りのノート:バニラビーンズとオレンジピール、バルト海産アンバーと革製のヴィンテージ家具

バルト海産アンバー- 琥珀は松脂と混同されがちですが、フレグランスの世界では1800年代から使われるラブダナムとベンゾイン、バニラを合成した香料で、それぞれのフレグランスに温かみのあるパウダリーな香りを加えます。

バニラビーンズ - デンマークのパティスリーの香り。クリーミーで温かみがあり、とても心地よい、世界で最もよく知られるフレグランスの一つです。

オレンジピール(ドライフルーツ)- フレグランスの世界では人気が高く、乾燥したオレンジの皮からの抽出成分によるフルーティーで快活な香りがします。ほのかなシトラスの香りが、モミの木にドライオレンジのスライスを飾る伝統を思い出させます。

革製のヴィンテージ家具 - お気に入りの家具は、北欧のデザイン、そして家族が共に過ごす団らんと喜びを物語ります。温かみがあり心地よく、心が落ち着く香りです。

レンピ

フィンランドには、「愛は完璧である必要はない、真実であれば十分だ」という古いことわざがありますが、北欧の夏――夏への期待と分かち合う大切な暖かさ――にも同じことが言えます。

香りのノート:ピオニーとローズ、ストロベリーとモス(苔)

ピオニー - 北欧の比較的温暖な地域に自生する、美しく、官能的でたおやかな花。薬用として伝統的に使われてきましたが、フレグランスの世界では、柔らかなフローラルノートでローズととても相性がよい香りです。

ストロベリー - 北欧で豊富に見られるベリー類。ストロベリーはその王様で、毎年夏になると誰もが美味しいイチゴを探します。口に入れると甘い果汁があふれ、みずみずしくフルーティーなグリーン系の香りがします。

ローズ - 優しくパウダリーで、ほのかなムスクの香りがするバラは、何世紀にもわたり調香師を魅了してきました。砂地に自生するノイバラから、古い庭園で栽培されたバラまで、北欧のバラは夢のように柔らかな香りを夏の空気に漂わせています。

モス(苔) - 日陰で見られる花のない植物で、緑の群生を作ることが多いです。苔は足を優しくなでられるような感触で、土の香りがします。

オイ

北欧の湖や海には、数え切れないほどの無人島があります。それらは星のように煌めいて、探検家はそこでゆっくりと休息したい気持ちにかられます。

香りのノート:野生リンゴと野バラ、カワゴケとグリーンリーフ

野バラ - 野バラの一種で、北欧の沿岸部によく自生しています。繊細なピンクの花が低木を覆い尽くし、ほのかな甘い香りが漂います。

カワゴケ - 淡水の小川や池でよく見られる花のない植物で、光沢のある黄緑色の群生を作っています。手や足で触るとヌルヌルして、土や潮の香りがします。

カイドウ - ヨーロッパカイドウは学名では「森のリンゴ」と呼ばれる北欧原産の植物です。日光を好み、湿った森の端でよく見られ、その実は甘く、鮮烈な味です。

グリーンリーフ - 水辺に自生する低木や茂み、曲がりくねった木々が絡み合う香り。指に残る葉の香り、そよ風が運ぶ葉の香りは生き生きとした明るい香りで、生命力と活力を連想させます。

ロー

ノルウェーとスウェーデン、デンマークがもたらす平和や静けさ、安らぎ。この3か国の言語で共有される大きな意味を持つ言葉。

香りのノート:刈りたての草と落ち葉、キュウリと野スミレ

キュウリ - 世界中で栽培されるつる植物で、野菜と見なされていますが、実際には果物で、独特の爽やかな香りがあります。

落ち葉 - 秋は葉が美しく朽ち始める季節です。短い夏の間に生い茂った緑は、日が急速に短くなるにつれて赤、黄、オレンジへと変化します。葉に残る糖分が分解されて生じる香りは、ムスク系の土の香りがします。

草 - 刈りたての芝生、砂丘の背の高い草、森の切り開かれたところに咲く野の花の草地など、草は北欧のあらゆるところにさまざまな姿で生えています。そのフレグランスは甘く新鮮な香りをもたらします。

スミレ - 古代ギリシャ時代からフレグランスに使われてきた可憐な紫の花で、現在も人気の高い香りのベースです。春先から森林で見られるこの花は、夏への柔らかく穏やかな移り変わりを連想させます。

スコッグ

森林はスウェーデンの最南部地方から北極圏まで、北欧地域の面積の半分以上を覆います。

香りのノート:松葉、モミの実、白樺の樹液、スズラン

モミの実 - モミの球果には種子を守る頑丈な木の殻がついています。樹脂で枝にくっついており、爽やかで繊細なハーブの香りがします。

白樺の樹液 - 白樺の森を歩くと見られる光景で、白い樹皮からにじみ出た金色の樹液のしずくに光が当たります。柑橘類がほのかに香り、穏やかで爽やかな活力を与える香りです。

スズラン - 森に咲く小さな花で、高く評価されています。捕食者から身を守るため、頭を垂れた花弁の内側には有毒物質が隠されています。

松葉 - 棘のある針葉から快活で清々しい香りが漂います。将来松の木になる種子が入った松ぼっくりも香ることが多く、これらは北欧で最もよく知られた香りの一つです。

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